初めて父になった私が驚いた、妊娠・出産に関する10のこと。

妊娠~子どもが生まれる~2歳まで育てるという経緯をたどってきたわけだけど、特に出産前後まででいろいろびっくりしたことが色々あったので記しておく。長めです。

1. 妊娠初期の頃も安静に。

妊娠についてメディアなんかでフォーカスされるのはやっぱり出産のシーン。やっぱり派手だし、見ていてすごい大変そう。それになんかお腹が大きくなってからの方が移動とか大変そう。そう思っていた時期がありました。

実際は妊娠後半はもちろん大変だけど、前半というかかなり初期の頃も大事。特に心臓が出来て心拍を外から確認できるようになるまでの時期まで。流産はこのあたりまでが多いので、ここを乗り切るのが大切。

マタニティ・マーク」も子どもができてから初めて知った。外見から妊婦さんと見分けつかないから作られたマークだけど、前提条件として妊娠初期の大切さが浸透しないとほんとの効果が発揮されなさそう。

2. 「つわり」はかなりきつい

「つわり」はだいたいどういうものかは知ってたけど、これが実際かなりしんどそうだった。デフォルト胸焼け状態が続いて、においに敏感になる。普段はよく食べる妻もこの時ばかりは食が細かった。

ちなみに「酸っぱいものが食べたい」という台詞が昔のドラマでよくあったけど、誰でもそうなるわけじゃない。アイスキャンデーならいけるとか人それぞれ。何なら食べられるかを見つけるのが重要。

3. 妊娠線の存在

妊婦さんはあんなにお腹が大きくなるなんてすごい、人間の肌ってよく伸びるなあ。丈夫にできてるなあ。そう思っていた時期が私にもありました。

いや、実際伸びるけど肌へのダメージがすごい。特に胎児が急激に大きくなる頃には肌の下の方にある真皮という部分や皮下組織に強烈な負荷がかかる。この時の傷が妊娠線というもの。この傷は治らないので跡がずっと残る。保湿などである程度予防できるらしいけど、どうあがいてもできるときはできるらしい。

4. お腹の中で動く様はエイリアンぽい

よく「あっ、今蹴った」みたいなシーンがあるけど、妊娠後期になるとお腹の中でダイナミックに動き回ることも増える。お腹がグニグニと内側から動く。

これがとてもエイリアンぽい。これが24時間となると母親すごい。ちなみにうちの妻も若干キモいという意見だった。

5. 父親・母親教室はすごいレクチャービデオ見る

産婦人科が両親向けに父親・母親教室を妊娠中に用意してくれるケースが多いと思うけど、そこですごいレクチャービデオを見ることになる(病院によって違うと思うけど)。

それは陣痛〜出産までの過程ビデオ。テレビでは放送できないアングルかつモザイクなしでかなりダイナミックかつセンセーショナルな内容。始まる前に助産師さんから「男性は気分悪くなる方がいらっしゃいますので、こういうのに弱い方は途中で退出されても結構です」との言葉があった。

私はばっちり弱いタイプだったのできつそうな所は虚空を見つめて回避。終わった後印象的だったのが、これから出産するお母さんたちは感動で涙目なのに対して、父親陣はどこか虚ろな顔だったこと。

6. 立会いは別にしなくてもいい

最近の風潮として、「父親は出産に立ち会うもの」みたいな雰囲気があるけど実際はまちまち。父親が嫌がるケースもあるし、母親が嫌がるケースもある。後者の場合は死に物狂いになってるところを見られたくないとか、今後女性として見られないのではないかとか色々あるらしい。

うちの場合は立会いなし。なぜなら私は血に弱いからだ!もし卒倒したりしたら色々迷惑かけそうだったし…。なんか「とてつもなく素晴らしい瞬間に立ち会うべき」とか「人生観変わる」みたいな意見もあるけど、そこは自由だ。自由なのだ。

7. 出産で肛門まで裂けることもある

いくら出産に対して身体が作りかえられているとはいえ、あれだけ大きなものが出てくると負荷がすごい。そのため肛門まで裂けることもある。考えただけで痛そうだけど、わりとあることらしい。

ちなみに裂けると傷の治りが悪くなるので、出産時にスパッと切開してしまうケースもあるらしい(この方が傷が塞がりやすい)。いずれの場合でも出産が終わったら縫合。しばらくはかなり痛いとのこと。

8. 出産は子どもを産んで終わりではない

いざ出産、子どもが生まれた、やったね!までが出産だと思っていたけど、その後にも「後産(あとざん)」というものが控えていることを父親教室で知った。

これは子どもを生かしていた胎盤を排出するためのもの。そうだよね、胎盤って出産のためだけのものだからずっと入れておくわけにはいかないもんね。ちなみに画像検索する勇気は私にはない

9. 赤ちゃんはおっぱいの吸い方を知らない

これは一番びっくりした。生存本能としておっぱいを出したら勝手に吸い付くものだと思ってたけど、赤ちゃんはおっぱいの吸い方を知らない。だから赤ちゃんに吸い方を教える(プラスお母さんも吸わせ方を覚える)過程がまず必要。これがなかなか大変。

口に含ませてもなかなか吸うということをしない。母親もどのくらい含ませるのかとかが最初分からないから助産師さんからレクチャーを受ける。うちは数日経ってお互いできるようになったけど、なかなか手こずる人も多いらしい。

10. 誰でもおっぱいが出るわけではない

育児本とか読んで知ったけど、誰でも母乳がでるわけではない。体質や病気とかでなかなか出ない人もいる。授乳って母性の象徴みたいなイメージだったけど、そういうこともあるのだ。

ちなみに子どもを育てるには粉ミルクでも問題はない。特に最近のものは優秀なので、身体が育つために必要なものは十分備わっている。しかし出る人出ない人で軋轢があったりすることもある。父親的には粉ミルクでも別にいいではないか、という気持ちでいきたい。

まとめ. 分かりやすい妊婦・母親像

以上のようなことを新しく知ったり、間違った知識を持ってたりしたのが修正されたりした。一方で自分が持ってた知識というのは、社会一般が持つ分かりやすい「妊婦・母親像」だったのだと気付いた。こうした知識は得てして困っている当事者を傷つけることが多い。

例えば産前産後のお母さんというのはとてもナイーブなので、そうした社会的には普通みたいなことができなかったりすると(授乳がうまくいかないとか、母乳が出ないとか)、母親失格なのではないかとすごく落ち込んでしまったりすることがある。

だけどそれぞれ個人が持つ背景が異なるわけだから、いろいろな母親の形があっていいと思う。赤ちゃんに申し訳ないと思うのは自由だけど、必要以上に思い悩むことなどないのだ。だから父親としてもある程度の知識は必要で、その知識をもとに母親(パートナー)に接していくことが大切だと思った。

とまあ重いことを考えたりすることもあるけど、この一連のイベントを経験することはとても楽しかった。社会の中での妊婦さんや母親ということを捉えるいい機会になったし、新しい社会との接点を作ることができた経験になったと思う。

これから初めてお父さんになる人は色々大変なことも多いと思うけど、男性にとっても妊娠・出産はとっても面白いです。なのでちょっと突っ込んで取り組んでみる。そうすると色々新しい発見や経験が見つかるんじゃないかと思います。

 

===今日の寝かしつけソング===

月と太陽のめぐり:久川綾


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