アニメレビュー

きかんしゃトーマスはわりとドライな世界。

トーマス大図鑑 (きかんしゃトーマスのえほん) (きかんしゃトーマスとなかまたち)

 

息子が夢中なアニメ、きかんしゃトーマス。一応自分の子どもの頃からやっていたので存在は知っていたけど、この機会に初めてじっくり見る機会を得ました。が、けっこう内容がドライでびっくり。ソドー島(トーマスたちの働く島)はわりと殺伐としています。

機関車の燃料で派閥がある

ソドー島の機関車には、石炭を燃料にするタイプとディーゼルを燃料にする2つのタイプがあります。例えばトーマスは石炭タイプ。メインキャラクターはだいたい石炭タイプです。一方でディーゼル系は煙突のないタイプ。こちらはだいたいサブキャラクター。

見ていて気付いたのは、この石炭派とディーゼル派の派閥があること。お互いをバカにしたりといったことがけっこう頻繁にあります。例えばトーマスに対してディーゼル機関車が「この生意気な蒸気機関車め!」みたいな感じで罵ったり。

同じ燃料派でも対立が多い

一方で同じ蒸気機関車同士でもバカにしたり、煽りあったりといったことも日常茶飯事。トーマスやパーシー(トーマスの親友)、女性型機関車なんかはこうした傾向が薄いんですが、男性型の機関車はこの傾向が強い。特にゴードン(花形の急行列車担当蒸気機関車)はかなり他の機関車より優れているアピールが強く、他の機関車の仕事をバカにしたりということがちらほら。

ちなみに一部の貨車には人格あり(人格のない貨車もあり、そのあたりの設定は謎)。こちらはただ引っ張られるだけなのであまり出番はない。

そんなこんなでソドー鉄道はけっこう事故が多い

そういう対立や私の仕事が一番アピールをそれぞれが行った結果、ソドー鉄道はわりと事故が多め。脱線・衝突は頻繁に発生するし、ダイヤの乱れは日常茶飯事。鉄道の経営責任者トップハム・ハット卿の決め台詞「君のせいで混乱と遅れが生じてしまったぞ」がほぼ毎回聞けます。

また機関車の独自裁量で事態が混乱というケースも多め。例えばトーマスは客が多くて列車が重いので、とりあえず客を降ろして放置するという謎行動に出たり。他にもお化けの話で脅かしてやろうとしたジェームズ(赤い蒸気機関車。自惚れが強い)の行動がエスカレートして、機関車2両が城の堀に落下したりとけっこう危険。

そして何もしない運転手

トーマスたちにはそれぞれ運転手が乗ってますが、彼らは一切行動せず。明らかに間違った行動をする機関車も見て見ぬ振りをします。セリフは一切なし。このあたりの設定はどうなってるのか謎。

トップハム・ハット卿も乗務員には一切怒らず、機関車本体に怒ったりしてるし、別に人乗せなくてもいいような気も…。なんだろう、機関車が本体で、乗ってる人間は使い魔的なあれなのか。あるいは乗務員は生体エネルギーを吸われるために一応乗せてる的な。それはちょっと怖い。

ともあれ息子はトーマスに大興奮

冷静に見ると設定どうなってるのか気になる所が多いトーマスですが、2歳の息子はトーマスに大興奮。「ポッポー!」と一緒に叫んだり、泣いててもオープニングが始まればTVの前に走って行ったりとかなりお気に入りの様子。20分間は座って見てくれるので、ちょっと家事したい時にはかなり助かります。

というわけでこれからもかなりトーマスを見ることになりそう。もうちょっとトーマスの世界を詳しく掘り下げてみようか…。

 

===今日の寝かしつけソング===

カントリーロード:本名陽子

アクエリオンロゴス第1話「叫べ!創声合体」レビュー

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これ、天保異聞 妖奇士じゃなかろうか

漢字がテーマというのが分かり始めたあたりで、過去やっていた地味アニメ「天保異聞 妖奇士」を思い出しました。こちらも舞台は江戸時代と全く異なる世界ですが、テーマは漢字。主人公(CV:藤原啓治)は漢字を具現化して武器にできる能力を使って敵と戦う、という話。

例えば「父」という漢字の語源は2本の斧が交差しているものなので、漢字から斧を取り出して使うみたいな。毎話色んな漢字が出てきて面白かったのでけっこうハマってたんですが、視聴率は微妙だった模様。ちなみに本作の参考元だった白川静先生の本がすごい面白い。自分の名前の漢字とか調べても予想外の語源があってびっくり。

というわけで、次回以降がどうなるかよく分かんないですが、個人的には妖奇士だなあというのが最初の感想。

メカニックまわりは微妙。

メカがこれまでの有機的寄りのごってりデザインから、今風のつるっとしたデザインに。スタッフ見たら、河森正治さんはデザインに参加してないのね。うーん、ちょっと味気ない感じ。巨大ロボット感がないよね。無限拳とかは質量感じながらドーンみたいなのが良かったので、そのあたりが残念。

あと描かれる舞台が狭いのがなんだか。公園から発進とかも設定としては微妙な感じ。第3新東京市みたいな巨大感・未来感が全然ないし、ロボットものを見てるのにせせこましい感じがずっと付きまとう。

戦闘フィールドは異世界へ行くスタイルみたいだけど、それがさらにせせこましい感じを悪化させてる。異世界って現実と対比できるものないから、結局人形が戦ってるみたいな感じになってる感じです。

いきなり敵と合体は笑った

いきなり敵と合体するのは笑った。そうよね、別に敵と合体してもいいよね。主人公はなんか仮面ライダーカブトの天道みたい。合体したヒロイン?はかわいい。他のキャラは…学ランの子のインパクトが強いね!

 

というわけで、なんだかよく分からない感じでスタートしたアクエリオンロゴス。アクエリオンシリーズは好きなので、もちろん追っていきます。

 

===今日の寝かしつけソング===

虹色ポケット:清浦夏実

積んでたセーラームーンTVシリーズをSSまで見終わった。

美少女戦士セーラームーンSS 音楽集

関西地方では、ちょっと前までセーラームーンシリーズをファーストシーズンからスターズまでひたすら放送するというのをやってました。懐かしい!ということで、録画したはいいものの積んでたわけですが、この度スーパーズまで視聴終了。

一応リアルタイム世代ですが、しっかり見てたのはファースト〜SSの中盤くらいまで。なんかSSの後半とスターズは離脱しちゃったんですよね。

なんで当時SSまでで見るのをやめちゃったのか

15年くらいの時を経て、なんでSSの中盤で見るのやめちゃったか分かりました。SSはちびうさ推しがすごかったんですね。ファースト〜R〜Sは、5人のセーラー戦士やウラヌスたち外部太陽系戦士たち、つまりその頃見てた年齢よりちょっと上のキャラたちがメインでした。一方でSSは完全にちびうさ&ペガサスメイン。襲われるのも幼児などの子どもが多くて、なんかのめり込めない。

今見返しても、やっぱりここまで3シリーズを通して愛着が湧いてきたキャラクターたちの描写が減ってしまうのはちょっと魅力減でした。あとSで多かったちょっとはっちゃけた演出やキャラクター(教授たち)があまり見られなかったのも残念。序盤のホークアイたちがいたころはすごい良かったんですが、アマゾネスカルテットになると、うーん。

ここまでで一番面白かったのはやっぱりS!

シーズンごとで分けると、一番面白かったのはやっぱりS。5人のキャラクターを深堀りしたり、ウラヌス・ネプチューンといった個性強い新キャラクターたちの登場、敵もすごい魅力的と見所たくさん。

演出もすごくいい。ダイモーンの不気味さ(製造工程とか)やほたるちゃんの2面性の描き方なんかは見ていてとても感心しました。このあたりウテナとかピングドラムに通じてるなあ、というシーンもたくさん。

亜美ちゃん派から美奈子ちゃん派へ

見返して驚いたのは、美奈子ちゃんてこんなアホの子だったっけということ(海外経験があるので、語学だけは優秀)。性格的にもかなり大雑把で行き当たりばったりと破天荒。

そして当時は俄然亜美ちゃん派でしたが、30歳を越える今は美奈子ちゃん派に。なんだろう、最近こういうのけっこうあるなあ(レイ→アスカとか)。なんか元気でますね、美奈子ちゃん見てると。自分だけ美しい心が狙われないのはおかしい!となってわざと狙われる回は爆笑。結晶を取り出されて動けたのはこの娘だけなんじゃ…。

一番印象に残っている話は、ファースト最終話

一方で印象に一番残っているのは、ファーストシリーズの最終話。ダークキングダムを相手に散っていく仲間たち、そして最後一人で戦ううさぎというストーリー展開はすごいインパクトがありました。

特に普段の能天気なうさぎと、戦いに恐怖するうさぎの対照も良かった。いつものうさぎは夢見るちょっとアホな子ですが、実際に仲間(友達)が死んでいく中で、どんどん恐怖が高まっていく。最後の決戦に挑むうさぎは、なんかこう死を覚悟している感じもあって悲壮感がすごい。

そしてRはセーラー戦士たちはこれまでの記憶を消された状態でスタートするんですが、うさぎは記憶を取り戻させることに躊躇。フォーカスされることはほとんどないですが、戦いでは死ぬこともあるんだから当然よね。

というわけで現在はスターズを視聴中。外部太陽系戦士たち復活!ていうかこの人たちはSSでは何してたんだw

 

===今日の寝かしつけソング===

月と太陽のめぐり:久川綾

響けユーフォニアム。「おまつりトライアングル」レビュー

響け!ユーフォニアム 2 [Blu-ray]

撮りためて積んでいた「響けユーフォニアム」を消化し、やっとTV放送に追い付きました。

ここまで見てきて、わりとリアル部活ものに近い描き方をしている印象ですが、アニメ的なキャラクターの性格や動きがあるので程よくリアルとアニメが混ざっている感じがいいですね(ただ時々しゃべり方などがくどいと感じることもある)。

さて「おまつりトライアングル」ですが、部活要素少なめながらもしっかり面白い回でした。特に後半がとても綺麗に描かれてます。デレた高坂さんかわいい。それにチューバの二人付き合ってるのね!かわいいね!

視聴後の夫婦のやり取りは

妻:・・・。
私:どうでしたか、今回は。
妻:・・・良かった(うなずいている)。
私:うむ。

という感じ。だいぶ良かったようです。なんか妻がすごいオタクっぽくなってきてるな…。

主人公と高坂さんの今後も気になりますが、個人的にはあすか先輩の動向。最初は見事にアホの子っぽかったですが、最近は素が出てきて面白くなってきてます。大会前とかすんなり話が進むわけがないと思うので、あすか先輩がどんな動きをするんだろうかと期待してます。

次はオーディション。トランペットパートはなんか熾烈そう!

 

===今日の寝かしつけソング===

風がとまらない:國府田マリ子

残響のテロルを今頃ながら見終わったのでレビュー

撮ったまま放置していた残響のテロルを見終わりました。いやはや、もっと早く見れば良かった。見始めたら一気見でした。

残響のテロル 1(通常版) [DVD]

 

かなり面白かった

感想としては、ひとこと「面白かった」。ストーリーとしてもよくまとまっているし、最終回で「きちんと」終わらせているところがとても良かった。最近は続編制作のためなのか変な余韻を残そうとするアニメが多いような気がしますが、それがなかった。見終わった後の静けさがとても心地いい作品でした。

作品が扱う要素としては、けっこう古典的なものの組み合わせ。核爆弾とかデザイナーズ・チャイルドとか。真新しい要素は特にありませんでしたが、それぞれが上手く組み合わさっていて違和感はなし

ちょっと物足りなさを感じたのは、1~3話あたりに多かった情緒的な演出が話が進んでいくに従って薄れていったこと。テロ計画が淡々と進んでいく過程にもう少し盛り込んで欲しかったなあ。

あとはリサとお母さんの関係。家出しちゃってから全然触れられないのでそのあたりの決着を見たかった。

安定感のあるスタッフ

監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子とカウボーイビバップコンビが自分にとってはかなりツボでした。OPとEDもかっこいいと思ったら、作曲は菅野よう子だったのね。

また作画が崩れるということもなく、安心して見られます。個人的にはここがかなり重要。

あと主人公の一人を演じてる、石川界人さんが良かった。ガルガンティアで知った方ですが、落ち着きのあるいい声でキャラクターにもしっくり合ってます。まだ21歳とのことですが、これからが楽しみ。ああ、ハイキューの飛雄君も彼なのか。

まとめ

話数も全11話とコンパクトなので、忙しい人にもオススメ。中年刑事が活躍するので、おっさん好きにもオススメです。

 

===今日の寝かしつけソング===

Aimer:誰か、海を。